pianissimo.

私がここへ来るに至ったいきさつを、簡潔に早口で伝えると、ライガは聞いているやらいないやら……。ポケッとした顔で私の顔をじぃっと見詰めていた。



「午後の授業サボればいいじゃん」

どうでも良さそうにポソッと呟いたと思ったら、再びライガの上体がふわりと後ろへ傾く。


「待ったー!」

慌ててライガの背後に移動して、両手で背中を押しとどめた。どうして私がライガのために、こんなにも献身的に働かなきゃならないのか、と小さな不満が生まれる。


「もうすぐ雨降るって。教室戻ろ?」

思うこと多々ありだけど、とりあえず子どもを言い聞かせるみたいに、穏やかな口調で説得を試みた。