あの日から……。

ライガは私に決して近付かない、話し掛けない、目線も合わせない。極たまに、うっかり視線がバチッとぶつかってしまうと、気まずそうに苦笑して、それでもぎこちなく軽い会釈をする。

たったそれだけのことでも、ズキリと鈍い痛みが胸に響くから辛い。





今朝は清々しい青空が広がっていた。けれど天気予報では午後から雨。午前中最後の授業が終了する頃には、空一面、すっかり灰色に塗りつぶされ、薄暗い景色に気分も落ちる。



昼休み、食事を終えた私は、今日も花壇へ向かおうと席を立つ。すかさず郁香に、

「もうすぐ雨降るよ?」

と指摘され、「ああ、そっか」と足を止めた。