ダン―― 鈍い大きな音に体育館全体が揺れた気がした。 男は床に叩きつけられ悶絶状態だ。生きているかな、などと思わず心配してしまったり。 「てっめー」だの「死ねクソがぁ」だの……。ごろつきたちが決まって口にする低俗な煽り文句が次々に飛び交う中、ライガは軽やかに、まるでステップを踏んでいるように走る。 敵陣に背を向け反対方向へ。 けれど、数人がライガの進行方向へ回り込み、出口を塞ぐようにして立った。