pianissimo.

「ライガ、入学おめでとーなー」

祝福なんかこれっぽっちも含んでいない『おめでとー』と共に、金属バットを振り被って、白装束代表が弾丸のようにライガに向かって飛んでいく。


ライガ、大ピンチ……って、何、あのポケッとした顔は。状況わかってんの? って。どうして私が熱くなってんだよ。



逃げるどころか動く気配すらない、直立不動のライガ。

けれど……。


男との距離が2、3メートルぐらいまで縮まると、突然、ライガは大きく一歩を踏み出し床を蹴る。


そうして前方へ跳びながら、

「ありがとーなー!」

軽快に叫んで、全体重を掛けてのラリアットをバッチリ決めた。