pianissimo.

きゅーんっと、胸の奥を締め付ける痛みに泣きたくなった。


ライガが酷く困っているように見えて、もしかしたら、私の気持ちに気付いてしまったんじゃないかって、今度はそんな不安に押し潰されそうになる。



ほんの少しの沈黙の後、ライガはフッといつもの無邪気な笑みをその顔に浮かべて言った。

「じゃあ俺がこぐ。代わって」


私の頬に添えられていたライガの大きな手が、ハラリと重力に従って落ちた。




運転係と傘持ち係を交代した。これだけの横殴りの雨では、傘が本来の役目を全く果たしてくれない。

傘を傾ける角度を色々試してみたけれど、どうやってもライガを雨から守ることはできなかった。