pianissimo.

駐輪場の自分の自転車まで辿り着いた時、そのカゴの中に入っている黄色いビニール製の袋が目に付いた。


そうでした。私にはレインコートがあるのでした。



中学生の時に使っていたロング丈の黄色いレインコート。雨が酷い時に着ようと一応常に携帯はしているけれど、結局、勇気がなくて高校に入ってからは未着用のレインコート。

だって、いくら私でもこんなのダサ過ぎて恥ずかしい。



一旦閉じた傘を上下に軽く降って水を切りながら、私の後についてこちらにやって来るライガに向かって、

「その傘、貸したげる。私、レインコート持ってるから」

手にした黄色い袋を、ライガにも見えるように自分の顔の横にかざした。