pianissimo.

チュンと一瞬だけ唇を重ねたら、やっぱりどうしようもなく恥ずかしくなって。

ライガの首に両腕を巻きつけて、ぎゅうとしがみ付いた。



「お日様の匂い……」


短く切り揃えられた襟足の黒髪に鼻を埋めて、すぅーと思い切り息を吸い込んだ。

鼻の頭がちょっとだけチクチクする。



「先輩、くすぐったいからやめて」


ライガからの苦情に、思わずふふっと笑ってしまう。


「『ふふっ』じゃねーわ」

不満げに文句を言ってライガは、

「ねぇ先輩……」

今度は艶やかな掠れた声で呼び掛ける。



「何?」

「俺ってさ、――――――だよな?」

「え? 何て? 肝心なとこが聞こえなかった。もう一回言って?」



ライガはもう一度、同じ言葉を繰り返してくれたけど、やっぱり肝心要の部分はボリューム最小で。