pianissimo.

ライガが私の耳元に唇を寄せて、

「先輩が毎日キスしてくれたら頑張る」

コショコショと早口で囁いた。


「そんなの頼まれなくたってするよ? て言うか、『頑張る』だけ? ライガの野望は小さ過ぎっ!」

「小さくねーよ、無限に頑張るし」

そう言ってライガはニカッと笑う。



「そっか、毎日してくれるんだ。じゃ、今日の分」

「今?」

「ん、今」

「ここで?」

「ん」


そして、ライガは私の目の前に回り込んで立ち止まった。私の足も必然的に止まる。



「人に見られるよ」

「『見られる』んじゃねーし、『見せる』んだし」


シレッとそんなとんでもないことを言って、ライガは屈託なく笑う。