勇輝と大輝を乗せたバイクが見えなくなるのを見届けてから、ようやくライガに視線を移す。


ライガの方は、既にこちらをじっと見詰めていて、目線が交わると、途端、バツが悪そうに苦笑する。



勢いよく立ち上がって、すぐさまライガに駆け寄った。そうして、ライガのすぐ横に両膝を落とした。


ライガは顔だけをこちらに向けて、目の中の漆黒を切なげに揺らした。



伝えたいことは沢山あるのに、逆に沢山あり過ぎて、言葉なんか出て来ない。



「先輩……。怖い思いさせてゴメン」

ライガは申し訳なさそうに謝って、辛そうに苦笑した。


「謝らないでよ。湿っぽいのはイヤ。だって……『一応』感動の再会なんだから」

チクリと嫌味を言ってみたり。


ははっと。ライガは可笑しそうに笑う。

「だな。『一応』感動……俺、こんなボロボロで汚ぇけど」


ああ、そういう意味での『一応』か。日本語って難しい。