pianissimo.

「勇輝……。かま掛けたのか……?」

「答えろ、大輝。お前、誰を犯した?」

「チキショー、嵌めやがって」


勇輝は自分の額を、大輝のそれに激しく打ち付けた。


「っつぅ……」

大輝は痛みに顔を歪めると、頭を抱えて呻き声を漏らす。構わず勇輝は、掴んだままの胸倉をグイと再び荒っぽく引き寄せた。


「言え。お前は……誰を犯した?」


大輝は酷く怯えて口をつぐんでしまった。勇輝は苦々しく舌を鳴らすと、右手を勢いよく振り上げた。



「静江だよっ! ライガの妹の静江!」



大輝の胸元から、勇輝の手がハラリと落ちた。



勇輝は静かに立ち上がり、ゆるゆるとこちらに視線を寄越す。茫然自失となったその様は、さっきまでの脅威的な獰猛さは微塵もなくて。痛々しくすら映る。



「何だよ? その間抜けなツラ。レイプなんか、あんたのお仲間さんたちの日課だろ?」

言ってライガは、乾いた笑い声をこぼした。