pianissimo.

小石か何かに躓いて、大輝はドスンと思い切り尻もちをつく。勇輝はその直ぐ目の前まで更に距離を詰めると、ようやく足を止めた。



凄然と見下ろす勇輝。それを見上げる大輝の身体は、余りの恐怖にガタガタと震えていた。


「言いたいことはそれだけか?」

もう一度、勇輝が大輝に問う。


大輝は何か言おうと口を開くも、喉を鳴らすことを躊躇った。口は半開きのまま、ひたすら恐怖に耐えている。



けれどやがて、力なく言葉を紡ぎ始めた。


「魔が差したんだ。最初は犯すつもりなんかなかった。そん時の俺、何でかやたらムシャクシャしててさぁ。気晴らしにちょっとからかってやろうって思ったんだよ。ほらあの子、やべぇぐらい可愛いだろ?

けど、ほんのちょっと悪戯してやっただけで、アイツマジ切れして、俺の面思いっきり殴りやがった。だから……」


勇輝は勢いよく片膝を落とすと、大輝の胸倉を乱暴に掴み上げた。


「何の話だ? お前……一体、誰を犯したんだ?」


大輝の顔からみるみる血の気が失せた。