pianissimo.

「守ってくれたよ? だって……勇輝に真実を話してくれたんでしょ?」

だから今、勇輝の怒りの矛先は大輝に向けられている。経緯(イキサツ)はどうであれ、結果的には、ライガが私を守ってくれたことになると思う。


けれどライガは、

「ん?」

と。どうしてだかとぼけた顔をして首をほんの少し傾げた。


「え……?」

訳がわからず、つられるように私も首を傾げる。そうしたら、ライガはプッと吹き出して、ははっと小さく声を漏らして笑う。


え? 何? どういうこと?



ライガが不意に真顔になって、私の肩越しへ視線を移す。その先を追って振り返れば、大輝が左足を引き摺りながら後ずさっていた。


向かい合う勇輝はゆっくりと歩を進め、じわりじわりと大輝を追い詰める。



「違う。嘘だ。俺はやってねぇ。全部アイツの作り話だ。勇輝は俺よりアイツの言うこと信じんのか?」

「言いたいことはそれだけか?」


焦燥しきって喚き散らす大輝に、勇輝は冷ややかに言い放った。大輝の顔が一層恐怖に歪む。