pianissimo.

ライガの身体は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。

更に勇輝は、ゆったりとした歩みでライガの元へと向かう。



「もうやめて……」

思わず漏れ出た私の声は、勇輝に届かなかった。もしかしたら、聞こえていて無視しているだけかも知れない。わからない。



ライガの傍らまで行くと、勇輝はストンとしゃがみ込んだ。そして、ぐったりと横たわったままのライガに、

「もう起き上がることも出来ねぇか?」

と、嘲笑を浮かべながら言った。



「そんなにあの女がいいか? お前なら他にいくらでもいるだろ? なぁ、色男」

ライガの頬にヒタッヒタッと弄ぶように触れて、勇輝はバカにしたような口調で言う。


「ほっとけよ。俺が誰に執着しようが、てめぇには関係ねぇだろ?」

言いながら、ライガは勇輝の手を乱暴に振り払った。



「関係あるから言ってんだろーが、このバカが。潔く俺に譲れ」

「嫌だね」

言いながらライガは片肘を立てて身を起こそうとする。けれど、すぐにグシャリと地の上に崩れ落ちた。