pianissimo.

おかしい。何かがおかしい。

たちまち頭の中がパニックに陥った。思考も麻痺してしまって……。



今、私の身に一体何が起こっているのか、さっぱりわからない。理解できない。



「待てっつってんだろ!」

ライガが怒声を上げた。もう立っていることすら、しんどいはずなのに。

早く、そのボロボロの身体を休ませてあげて欲しいのに。


どうしてライガは――

最後の最後まで諦めないんだろう……。



「俺は認めねぇ。ぜってぇ認めねぇ。勇輝ー、タイマンはれ、タイマン」

「笑わせんな。そんなボロボロんなったヤツ伸したところで、俺に何の得があんだよ、ああ?」

「そうかよ。なら俺から行く」


ライガは酷く不安定な足取りで、フラフラとこちらに向かって来る。そうして勇輝の目の前まで来ると、肘をぐんと引きそして、左拳を勇輝の顔面目掛けて繰り出した。


勇輝はそれを難なく右手で受け止めると、反対の手で凄まじい平手打ちをライガの頬に食らわせた。