pianissimo.

「へぇー……」

興味なさそうに適当な相槌を打って、勇輝は私の肩を抱いた。



迷惑極まりない騒音と共に一気に人が捌けて、場は元の静寂を取り戻した。

残されたのは、勇輝と大輝と私、そして――


ライガ。



ライガは瞬きも忘れて、じっと食い入るように私たちを見ていた。


その表情は、辛そうに歪んでいる。ライガを苦しめているのは、全身に負った酷い傷か、それとも私か……。

その両方かも知れない。



辛くて、苦しくて、胸が張り裂けそうで。

ライガと視線を交えていることに耐え切れなくなった私は、自ら視線を外した。



「俺らも行くぞ」

勇輝が私に向かってそう言うと、

「ちょっとー、勇輝ぃー、俺は?」

勇輝に乗せて来て貰ったんだろうか、大輝が不満げな声を上げる。


「お前は歩いて帰れ。一時間もすりゃあ着くだろ?」

「えー! 俺は健常な身体じゃねんだぞー? 誰かさんのせいでよー」

「リハビリだ、リハビリ。ちょっとは動かさねぇと、身体なんかすぐに鈍(ナマ)るぞ」


勇輝は冷笑を浮かべて、何でもないことのように言い放つ。そして、促すように私の背中を押した。