pianissimo.

それまで沈黙を保っていた傍観者たちが一斉に歓声を上げた。



「……と言うわけだ。お前ら、もう散れ。気ぃ効かせろ。コイツも少しは懲りたろ。挙げ句、自分の女寝取られんだ、もう充分だろ?」

湧き上がる観衆に向かって、勇輝はやけに上機嫌で言った。



各々が自分の単車に跨がり、やかましいエンジン音を誇らしげに轟かす。


耳を塞ぎたくなるほどの爆音に、思わず固く目を閉じ俯いた。


そんな私の耳元に勇輝が唇を寄せ、

「お前も楽しめ」

と、妖しく鼓膜を揺らす。


そして、

「絶対に後悔はさせねぇ」

と。何故だか愛の告白染みたことを艶やかに口にした。



見上げて勇輝を真っ直ぐ見詰めて、

「後悔なんか……後悔なんかする訳ない。これでライガが助かるんだから、後悔なんか絶対しない」

勢いに乗せて言い切った。