pianissimo.

私を見下ろしたまま勇輝は薄く笑うと、

「お前……んな紙切れより、ずっといいもん持ってんだろ?」

言って、私のブラウスの襟を乱暴に鷲掴んで引き上げ、力ずくで立ち上がらせる。


その力強さに、足が地から離れてしまうんじゃないかと不安になった。



「何のことですか?」

薄々勘付いていながら敢えて尋ねてみる。どうか、私の見当違いでありますように、と願いながら。


「はっ、とぼけんなよ。健康な若い男が一番欲しいもんぐらい、いくら優等生のお前でも簡単に想像つくだろ?」

「わたし……ですか?」


勇輝は満足げに目を細めると、右手は私の襟元を掴んだまま、左腕で包み込むようにそっと私の腰を抱き、けれど荒っぽくグイと引き寄せた。


下半身と下半身が密着する。ただそれだけで、酷い嫌悪感に吐きたくなった。



でも……それでライガが助かるなら……だったら私は……。



「私で良かったら、どうぞ」

おずおずと同意すれば、それが気に入らなかったのか、勇輝は微かに眉を顰めた。


「そんなんじゃ気が乗らねぇな。お前から俺を誘え」