pianissimo.

ビュンと風を切る音が聞こえて、鉄パイプが振り下ろされたんだと思った。



けれどそれは、私たちのすぐ横、地面の上に叩きつけられた。


一時の安堵の後、すぐにぶり返す不安。でも今は、ただ、ライガが本当に無事なのかどうか、そればっかりが気になる。



「ライガ、ライガ……。大丈夫なの?」

血だらけの顔を、無我夢中で両掌で拭う。


「大丈夫だって、先輩。ねぇ、危ないから、どいて? 抱っこは……また今度」

そう言われて、投げ出されたライガの両足の上に、自分が跨っていることにようやく気付く。



「いやっ」

首を大きく左右に振って、そうしてライガに抱き付いた。


「先輩、重っ」

ライガが小さく声を漏らして笑う。


「ごめっ……」

思うように声が出ないけど、とにかく謝って、ぎゅうと腕に力を込めてライガを抱き寄せた。

そうしてライガの半身を私が支えた。