pianissimo.

「そうか、言う気はねぇか。じゃあ……命乞いもなしか?」

勇輝が冷ややかに尋ねれば、ペッと、ライガが唾か何かを吐き出す音が聞こえた。


「する訳ねぇだろ? 見くびんな」


「わかった。今すぐ、楽にしてやる」


勇輝はスルリと恐ろしいことを口にし、すぐ隣に立っている男から、鉄パイプを引っ手繰った。



咄嗟に走り出していた。ライガは見えないから勇輝目掛けて。


ギラリと光る銀色のそれを、勇輝が大きく振りかぶる。その背中に思いっきり体当たりした。



勇輝はグラリとバランスを崩すも、左足を一歩前へ踏み出して持ち堪える。


「てめぇ……女は引っ込んでろっつってんだろ」

私を振り返って、地を這うような唸り声を吐き出し、けれどすぐ、ライガの方へと向き直って、もう一度、鉄パイプを天に突き刺した。



「だめっ!」


大声で叫んで、庇うようにライガに飛びついた。身体が勝手に動いていた。頭の中は大混乱で、もう何が何だかわからなくて。


ただ、ライガを助けたい、それだけしか私の中にはなくて。