瀕死状態だった、希少な貴重なあの桃色パンジーは奇跡の復活を遂げた。


黄の中に際立って可憐に咲き誇る桃色パンジー。


ライガの彼女に似ていると思う。

その可愛らしさは、控え目だけども人目を惹きつけてやまない。花がふわりと柔らかく花開くような笑顔は、儚げで頼りなげで、女の私ですら守ってあげたくなる。




入学式から二ヶ月が過ぎた六月初め。不良グループの暴行も自然と止み、学校で時々見かけるライガの顔はいつも綺麗。


そして、その隣にはいつも――
清楚で可憐な桃色パンジー。