pianissimo.

「黙れ、大輝」

勇輝がピシャリと言い放った。大輝は小さく舌を鳴らすと、勇輝の視線から逃げるように顔を少し横向け、目を伏せた。



「あんたには何もしない、誓う。だから、ライガをここへ呼べ」


勇輝の重圧的な命令口調に腹が立つ。


「私には、でしょ? ライガは? もし、ライガがここへ来たら、どうするつもり?」

責めるような言葉が、咄嗟に口を衝いて出た。


そんな私に、勇輝は微かに眉根を寄せた。



「弟の左足は一生あのままだ。ライガにはそれ相応の制裁を受けて貰う」

至って涼しげな表情とは裏腹に、勇輝の言葉は強固な意志に満ちている。逆らいたいけど逆らえない。でも――

従う訳にはいかない。



「嫌です。乱暴されるってわかってて、ライガをここへは呼べない」

「だろうな」


それが予想通りの答えだったらしく、勇輝の薄い唇が緩やかに弧を描いた。