pianissimo.

ずっと奥へ進むと、一メートルあるかないかの高さのレンガ花壇があって、名前はわからないけど真ん丸な木が並んで植えてあった。


そのレンガの縁に腰を引っ掛けている男が一人、それを取り囲んで半円を作っている男数人。しゃがんでいる者、立っている者、地べたに腰を落としている者など様々。



「勇輝ぃー、連れて来た」

大輝が親しげに声を掛けると、半円を描いている男たちが一斉に振り返った。


そして――

レンガに腰掛けている中心の男もゆっくりと視線を上げてこちらを見る。


「その子が『いがらしりんこ』?」

無表情のまま、中心の男が大輝に問う。



この人が……柏原勇輝。


入学式の日、先頭切ってライガに殴り掛かった男とは別人だ。

無造作に立たせた短めの黒髪が、周りの男たちの明るい髪色の中、逆に目立つ。威風堂々とした風貌は、ただ座っているだけでも恐ろしいほどの重厚感があった。



「手荒な真似はしてねぇだろうな?」

何故だか勇輝がそんなことを尋ね、大輝は「する訳ねーじゃん、なぁ? 凜子ちゃん?」と、何ら動じることなくシレッと答えて、私にまで同意を求める。