pianissimo.

堤防を走ること数分、車は横道に入り、幅の狭い急斜面を下って駐車場っぽい所に停車した。


日はすっかり落ち、薄暗闇に包まれていたはずなのに、そこは眩しいほどに明るかった。



大輝が車から出ると、それに倣って私の両脇の二人も車を降りる。

どうしたらいいかわからず、意志とは無関係に震える自分の身体を両腕で抱き締めた。



「凜子ちゃんも降りて?」

後部座席を覗き込んで、にこやかにそう言った大輝の目は決して笑ってはいなかった。


逆らったところで、きっと乱暴に引き摺り下ろされる。だったら素直に従った方が賢明な気がした。



酷く重たい身体を無理矢理に動かして車から降りた。

辺り一面、複数のライトで照らされていて、チカチカと痛む目を無意識的に細める。


ブオン、ブオンと定期的に轟くエンジン音。その度に心臓が跳ね上がり、耳を塞ぎたくなった。



「こっち」

大輝が柔らかい声で言い、私の腰をそっと抱いてどこかへと誘導する。