pianissimo.

『ラッシー、何かあった?』

「え? あ……うん」

『どした?』


全部、郁香に話してしまいたいって思う。でも、静江ちゃんのことを考えたら、そんなこととても出来ないし。



「白虎、今どうしてんのかな? 郁香、何か知らない?」

『ああ、あの物騒な白軍団ね。今、血眼んなってライガ探してるみたい』

「そっか……」

『ラッシー、ライガと会ってるの?』

「ううん。どこに居るのかも知らない」

『ほんとー?』

「何でぇ? ほんとだって」


そこで、プッツリと会話が途切れてしまう。『じゃあまたね』って電話を切るべきタイミングなんだろうけど、どうしてもそれが出来なくて。

私から電話を掛けているから、郁香の方からそれを切り出すことも、多分しない。



『ラッシー、今暇? 私、パフェ食べたい』

「あ、いい! 『クレール』行こ」


“クレール”は巨大パフェが売りの喫茶店。一旦電話を切って、お互いそこへ向かった。