pianissimo.

「もう少しの辛抱だ。警察出てくりゃ、所詮ガキだ、そうそう悪さ出来ねぇしな」

「そっか……」


だから会えなくても我慢しろ、と。

ヒロさんは多分、そう言いたいんだと思う。




「あー! お兄ちゃん、凜子ちゃん泣かしたー!」

ようやく戻って来た静江ちゃんが、私たちを目にするなり大声を張り上げた。


「シズ、しぃーっ」

人差し指を唇にくっ付けて、ヒロさんが大慌てで注意する。


「お兄ちゃん、トモ兄に殺されるから」

声のトーンは落とすも、静江ちゃんは益々面白がってヒロさんをからかう。



「トモには内緒な?」

「どうしよっかなぁ……。てかヒロ兄、レントゲン行ったの?」

「いや、まだ」

「武藤さん、めっちゃ怒ってる」

「まじか」

「……ってのは嘘だけどー」


静江ちゃんは悪戯っぽく笑った。

ヒロさんとのやり取りが、楽しくて仕方がないみたい。見ているこっちまで、何だか気持ちが弾む。