pianissimo.

「ふうん……」

あっさり引き下げられた焼きそばパン。

ヒロさんの表情に安堵が薄く滲んでいるような……。気のせいかな?



「あの、私の名前……どうして……」

恐る恐る尋ねれば、にっと得意気に微笑んで、

「もちろん、トモ問い詰めて吐かせた。相当手こずったけどな」

その時のことを思い出しているのか、愉しげに肩を揺らして笑う。



「ああ……そうですか」

何て言ったらいいのかわからなくて、取り敢えずそう返してみた。



ライガは、ヒロさんにどこまで話したんだろう。知りたいような、知りたくないような、でも凄く気になる。



「ライガくん、元気ですか?」

そして結局、当たり障りのないことしか聞けない私。


ヒロさんは、顔をくしゃりとさせて笑うと、

「ん、元気。最近は大人しくしてる」

サンドイッチを頬張りながら、答えてくれた。