「私が私を大事にしたら……ライガもライガを大事にしてくれる?」


「うん。先輩が約束してくれるなら……」

言ってライガはゆっくりと身を屈め、コツッと、私の額にライガのそれをそっとくっ付けた。



視界なんかほとんど無いも同然だった。きっと私の顔は今、涙でぐしゃぐしゃだ。

けれど伝えなきゃ。今、伝えておかないと絶対後悔する。



「わかった、約束する。だから、ライガも約束して。自分のこと大事にするって。絶対私のところに戻って来るって」


「先輩……ちゃっかり、約束が一っこ増えてる」

ライガが冗談ぽく言って、空気を漏らして笑う。


「いいじゃん、一っこぐらい。サービスしてよ」


「しょうがねぇなぁ……」


渋々な感じでこぼして、けれどライガは、両腕で私を包み込んだ。