pianissimo.

見渡せば、私を拘束している男の他に、もう二人。嫌な薄い笑みを浮かべてこちらを見ていた。


ライガと私を屋上に閉じ込めた、あの三人だ。



「やっ……やめて!」

お腹に食い込むほどに固く巻き付いているそれを、両手で掴んで必死に解こうとしたけど無駄で。


「俺たちも癒してよ、先輩」

耳元で囁かれ、酷い嫌悪感に全身がブルッと震えた。



「いいねぇー、その反応。たまんねぇ」

「何言ってんの? 意味わかんない。放して。放してよ!」


全力で暴れてみたけど、どうにも逃れられなくて、そのままズルズル引き摺られていく。どうやら校舎横へ向かっているみたい。


あそこは完全な死角だ。誰も来ない。大声張り上げたって誰にも届かない。


いやっ。誰か、誰か……。


「たすけ……」

叫ぼうと開けた口はすぐに男の大きな手によって塞がれた。