中庭花壇のマリーゴールドが咲き始め、暖色に彩られた一角は、眺めているだけで癒される。
苗は校務員のおばさんが植えてくれたのだと知ったのは、つい一週間前のこと。その時、この苗がマリーゴールドだと教えて貰った。
購入資金の半分をおばさんが出してくれたそうで。
「ありがとうございます」
と礼を言えば、
「こちらこそ、いつもお世話ありがとねー」
と、お日様みたいな温かい笑顔でそう言ってくれた。
ライガが消えて、もう二週間になる。
期末試験も終わり、夏休みが近い。
校舎から外へ出れば、ムンとした重苦しい空気に包まれた。身体が押し潰されるような不快感に、思わず顔を顰める。
全力で照りつける太陽が憎たらしくて、爽やかな水色の空を見上げて更に眉根を寄せた。



