pianissimo.

「今日は電話だったんだ。番号交換したの?」

「え?」

「だってほら、この前はインターホンだったじゃん。ライガ、お姉ちゃんの携番知らなかったんでしょ?」



桃子の言葉が、私の胸に深く突き刺さった。

引き裂かれるような痛みを覚え、胸元をギュッと右手で握る。息が苦しい。



先日ここへ来た時、ライガはインターホンを押した。休日の夕飯時なんか、家族が居る可能性は凄く高い。

普通なら、まず電話するんじゃないだろうか。私が居るかどうかもわからないんだし。


その前は電話して来た。そして今日も……。



あの日ライガは――

携帯を持っていなかった。




「ちょっと、お姉ちゃん? 大丈夫?」

桃子が肩に優しく触れ、私の顔を覗き込む。