pianissimo.

「うん、ちょっと、そこの神社に」

曖昧に答え、無理して微笑んでみた。


「大丈夫?」

桃子にそう聞かれて、やっぱり私は、散々泣いたと言わんばかりの酷い顔をしているのだと思い知る。


「ん……大丈夫、平気」

まるで自分に言い聞かせるように言って、けれどもやっぱり辛くて。

キュッと口を結んで俯いた。



「誰かと会ってたの?」


気付かれて当然だ。神社へ行く目的なんか、誰かと会う以外に考えられないから。


「ん、ライガと」

曖昧に濁すこともできたかも知れない。でも、誰かに聞いて欲しかった。この苦しみを自分一人の胸にしまっておけるほど、私は強くなかった。


「今、うちの前にいるって電話があって、それで……」