pianissimo.

「約束……できない」


ポツリ、と。酷く苦しそうにライガは吐き出した。



「嫌だ。約束してくれなきゃ、行かせない」

左手でライガのTシャツの袖を掴んで、思わず叫んでいた。


「ダメ。戻って来るって約束して。じゃなきゃ放さない。絶対に行かせない。ダメ! そんなの絶対ダメ!」


みっともなく泣きじゃくって、喚いて……。

それがどれだけライガを困らせるか、そんなのわかっているのに、わかり切っているのに、自分で自分を止められなかった。



それでもライガの方はやけに落ち着いていて。袖を握っている私の手を、ライガの左手が優しく包み込む。そうして、ぎゅっと力を込めた。



「約束したいけど、先輩に嘘、吐きたくない」

フッと目を伏せ、微かに震える声でそう言った。