pianissimo.

「お兄さん、無事?」

「ああ……無事っつったら無事かな。頭四針縫って、あばらも2本いってたけど。『あと2ミリずれてたら肺やられてた、俺の強運ハンパねぇ』って……。あの人、バカみたいに笑ってた」

ライガは辛そうに眉根を寄せ、それでも閉じた口で弧を描いて笑顔を作ろうとする。



余計に痛々しいから無理して笑わないで欲しいって思うのに、

「重症じゃん……」

ようやく返せたのは、そんな陳腐な言葉。



「先輩に、待っててって言いたいけど、言えない。あっちがどう動くか全くよめねぇし。だから俺も、この先どうなるかわかんねぇし」


「待ってるよ。私はいつまでも待ってる。だから、無事に戻って来て」

縋る想いで訴えた。


ライガの意志は固い。真っ直ぐ向けられている漆黒の瞳を見て、それを充分過ぎるほどに思い知る。


多分、きっと、私のこの想いは叶わない。わかっているけど、でも……。