pianissimo.

「先輩」

「ん?」

「先輩」

「何?」

「顔見せて。先輩の顔、見に来た」


ライガの胸に埋めたまま、頑として顔を上げようとしない私に、ライガが優しい声音で言う。その低くて柔らかな声に逆らうことなんて、今の私には到底出来るはずもなく。


おずおずと見上げれば、フッとライガは安心したように微笑んだ。そしてすぐに、ライガの顔が落ちて来て、咄嗟に瞼を伏せたら柔らかくて優しいものが唇に触れた。



何度も何度も愛しげに重ねられるそれ。いつもの私なら、この甘い時間に陶酔してしまうのだけど、やっぱり今日の私は違っていた。


ライガの唇から逃れるように顔を逸らして、首筋にキスをした。そうしながら、ライガのTシャツの裾を両手で掴んで捲り上げる。



「ちょっ……先輩?」


焦燥しきって制すように発せられたライガの声を無視して、Tシャツを鎖骨まで捲り上げて顕わになった逞しいその胸に、ぎこちなく口付けた。