pianissimo.

「聞こえた?」

「聞こえました」

素直にそう答えてライガはニッと笑う。ちょっとだけ腫れが引いたのかな、随分表情が読み取れるようになってきた。ライガの回復力、恐るべし。



それにしても……。
いつまでここに居るつもりだろう。嫌じゃないけど、むしろ嬉しかったりするけれど。


などと考えつつも、花壇に視線を落としたら瀕死状態のパンジーを発見。私の意識は完全にそちらへ向く。希少な貴重なピンク、大変だ。



折れてしまった花びらをそっと丁寧に開いて、根本の土を両手で撫でつけながら、頑張れ、踏ん張れ、戻って来い、と念じた。