pianissimo.

確固たる意志を込めて言い切った。郁香ならわかってくれる、ほんの少しだけどそんな期待もあった。


「ラッシーが傷付いた時は、私が慰めてあげる」


言って郁香は、顔をくしゃっとさせて微笑むと、「ねぇ、食べよ?」と、手つかずのハンバーガーを手に取った。


私もシェイクが入ってズシリと重いカップを持ち上げ、「うん」と力なく頷きストローに口を付ける。


ドロリとしたそれは――

今の私の肺活量では思うように吸い上げることができなかった。





帰宅したのは午後7時前。既に夕食の準備は整っていた。



いつもは仕事で帰りが遅い父も今日は休み。四人揃って食卓を囲んだ。特に会話が弾むでもなく、ほんのささいな出来事について、何気なく話すだけ。それでも楽しいし美味しい。


うちはそんな、極普通の家庭だと私は思っている。