小腹が空いたので、帰りの電車に乗る前に、駅のハンバーガーショップに寄って満たすことに。



休日ということもあって、店内のカウンター前には長蛇の列。ちょっと夕食には早いし、それでも何か少しお腹に入れたい。この時間、そんな風に思うのは私たちの他にも大勢いた。


渋々列の最後尾に並ぶ。



「あー、いつ食べれるんだろー」

郁香の悲痛な嘆きに、「だねー」と溜息混じりに返した。



不意に鞄の中の携帯が鳴る。誰だろうと画面を見れば、『オレ』の文字。理由もなく焦燥してしまい、大慌てて電話に出た。



「もしも……」


けれど聞こえてきたのは、期待した耳に心地よい澄んだ重低音ではなくて……。



女の子の、艶やかな吐息混じりの喘ぎ声。

それはまるで、エッチビデオか何かみたいに大袈裟に聞こえた。