「これぐらいで……いい?」

ライガが不安げな細い声で聞く。


「うん、充分。話してくれてありがとう」

本心から出た御礼の言葉に、「聞いてくれてありがとう」と、ライガもお礼で返す。



相変わらず私はライガの腕の中に閉じ込められたまま。だからライガが今どんな顔をしているかわからない。


私は……。

私は何だかとてもホッとしていた。不思議な安堵感に包まれている感じ。


ライガの全てを愛せる自分に私自身驚いた。でもそんな自分のことを、私は一層好きになった。



けれど――

「俺、こんなだから……凜子先輩は俺なんかには勿体ないってわかってる」

ライガは苦しそうに言葉を吐きだす。


「けど、放したくない。好きなんだ、先輩……。自分ではどうしようもないぐらい」