pianissimo.

それに応えるように、すぐにライガは私の頭を右腕で抱え込んだ。と同時に私の頭の天辺にもライガの顔がのっかる感覚。


ライガに包まれている。

この心地良さを、いけないとわかっていながらも私は手放せないでいる。絶対に手放したくない。




「お兄ちゃん、スロットでも行って来るわ」

気を利かせてくれたのだと思う。襖の向こう側からお兄さんの声がした。


「自分で『お兄ちゃん』とか……。気持ち悪ぃ」

私の頭を抱き締めたまま、ライガが憎まれ口を叩く。ははっという笑い声が返って来て、「優しいお兄さんっぽいだろ?」なんて冗談めかして言いながら、お兄さんは出て行った。



「……で」

しんと静まり返った部屋に、ライガの声がやけに響いた。


「うん」

ライガは何を言おうとしているんだろう。全く想像がつかないまま、取りあえず返事をした。