pianissimo.

「謝らないでよ。ライガだけの家じゃないんだから……」

「ん、だね」

そう頷いたけど、ライガの眉間にはまだ、微かに皺が寄っている。



ライガの耳に唇を寄せて、

「最中じゃなくて良かったよね」

精一杯の冗談を言って笑った。


ライガはプッと吹き出し、「ん」とまた頷いて、今度は清々しい笑顔を見せた。


眉間の皺も消えた。それだけでもう、舞い上がるほどに嬉しい私は、きっと病気だ。



「痛む?」

ライガが思い出したように私の怪我をした右足に視線を落とし、心配そうに尋ねる。


「ううん、全然。ちょっとヒリヒリするだけ」

「『ヒリヒリ』って……。やっぱ痛むんじゃん」

ライガはそう言って、けれどホッとしたように微笑んだ。