pianissimo.

「ちょっ、先輩……」

ライガが苦しそうに眉根を寄せた。


「えっ何? ゴメン」

朦朧とする意識の中、自分が何かいけないことをしたのだと何となく思った。



「あ、ゴメン、違う、ヤバイ」

ライガの表情がフッと、恍惚としたものに変わり、意味不明の言葉と共にライガも謝った。


良くわからないけど……。ライガは今、『ヤバイ』らしい。気持ちいいってことかな。



私は――私の方は、『気持ちいい』とは少し違う。『心地良い』とか『幸せ』とか、そういう言葉がしっくりくる。


二つの乱れた呼吸が混ざり合って、部屋の空気を震わす。それすらも甘美で官能的で……。まるで夢でも見ているみたいに幻想的。

夢ならどうか覚めないで、と切に願う。



ライガが私だけのものだと――

そんな風に錯覚してしまうこの瞬間が、とても幸せだった。