pianissimo.

奥の部屋には敷布団が一枚、敷いてあった。


「寝てたの?」

「ん。腹減って死にそうな時は、寝るに限る」

冗談ぽく答えてライガは笑う。そうして布団の端っこを両手で掴んで持ち上げ、素早く三つ折りに畳み、片足でズリッと部屋の隅、窓際に押しやった。

その余りの雑さが可笑しくて、クスクス笑ってしまった。



「何?」

ライガは不服そうに私を振り返って見る。


「ん? 何でもないよ」

笑いを必死で堪えながら返して、唇をキュッと結んだけれど、どうも両口角が自然と上がってしまっていけない。



「笑うな」

ライガは子どものように膨れて言い、畳んだ布団の上にドカリと腰を落とした。私もその横へ座る。


隣のライガを見上げれば、

「笑うなっつってんのに」

言いながら、ムスッとした顔が近付いて来て――


ふわっと……。唇が重なった。