pianissimo.

ちょっとだけきつい口調だったけど、その眼差しは温かい。

いつものライガだ。私のことを気遣ってくれる、いつもの優しいライガ。



「うん。気を付ける」

素直に頷けば、ライガは安心したようにふわりと微笑んだ。



「ねぇ、どうして嘘なんか……」

問い詰めるようなことを口にした。だって、どうしても納得いかない。


「何が?」

ライガは顔色一つ変えず、涼しげに聞き返す。


「家。ライガ、お隣の成瀬さんちを、自分の家(ウチ)って言った」

「ああ……。だってカッコ悪ぃじゃん。見栄張った、ごめん」

消毒してくれた傷口をティッシュで拭いながら、視線はそこに落としたままバツが悪そうにライガは苦笑した。



「妹さんは……怪我した私を、迷わずここに連れてきてくれた」

責めるような口調になってしまった。けれどライガは「先輩、怒ってんの?」なんて茶化すように言いながら穏やかに笑うだけ。