pianissimo.

「じゃあ……ね」

なんだ、『さよなら』の言葉か。期待して、がっかりして……。バカみたいだ、わたし可哀想。


「うん」と小さく頷き、潰れた花のレスキュー開始。花壇の傍らにしゃがみ込んで、花を立ち上がらせて土を整える。



「何ていうの? 名前……」

背後から声を掛けられ、振り返って見上げた。キラリ、眩しいのは傾きかけた日差しか、紫色に輝く黒髪か――


それとも、崩れた顔で一生懸命微笑む、酷く不完全な笑顔か。



ライガ、まだ居たのか……。