pianissimo.

郁香はソフトボール部に所属している。多分、そこが郁香の情報収集源だと思われる。きっとライガのことも、私なんかより、色々知っているんじゃないだろうか。



「ねぇ郁香、あのさ」

「ん?」

郁香は不思議そうに小首を傾げた。


ほんの少し躊躇いはあるものの、どうしても気になっていることがあって。郁香なら知っているかもと、意を決して再び口を開いた。


「ライガの彼女……姫花ちゃん、ライガのこと『トモくん』って呼ぶんだけど、なんでかな?」

「名前が『トモハル』だからでしょ?」


え?

ええ……?



「『ライガ』は……苗字?」

「ラッシー、今更ぁー?」


郁香がクツクツ喉を鳴らして笑う。本当に可笑しそうに。