pianissimo.

「アイツ、花好きだからね」

くるみちゃんは懐かしむように穏やかな微笑みを浮かべた。


「そうなの?」

ちょっと意外だったから、思わず聞き返せば、

「うん。花瓶の水替えやりたかったみたいでさ、いっつも美化委員に立候補してた」

と、その時のことを思い出したのか、プッと吹き出した。



「あんなお猿さんみたいな子が花好き?」

あまりにも驚いて思考がショートしたのか、うっかり失礼なことを口走る妹。


「ウケるでしょ?」

すかさずそう返し、くるみちゃんは朗らかな笑い声を上げた。


『お猿さん』って……。酷いじゃん。確かに『お猿さん』みたいだけど、格好いいじゃん、ライガ。




『手伝う?』


花壇の草取りに専念していた私に、ライガはそう言った。

もしかしたらライガも、中庭花壇の花のお世話したかったのかなぁ、なんてぼんやり思った。