pianissimo.

「じゃ、俺帰るわ」

言ってすぐ、クルリと身体を回転させて背を向け、ライガは駆け出した。


「待てコラ! 逃げんの?」

くるみちゃんが大声で叫んだけれど、ライガは立ち止まることなく走り去った。


よっぽど捕まるのが嫌だとみた。くるみちゃんとライガ、仲は良さそうなのに……。久々に会ったから照れ臭いのかな。





その場に取り残された私たち三人は、何となくお互いに顔を見合わせた。そうしたら、自然に笑みがこぼれた。



「面白い子」

桃子が満面の笑顔で言う。


実際のライガとは、とんでもなくかけ離れた第一印象だと思う。けれど、桃子はこれが初対面だということを考えると、この評価は当然のような気もした。


さっきのライガ、本当に面白かったから。何ていうか……コミカル?