pianissimo.

照れ臭くて、込み上げる笑いをぐっと堪える。一体私、今どんな顔しているんだろう……。想像するのも恐ろしい。



「そんなに急いで出てこなくても……」

言ってライガはふわっと微笑む。その笑顔と、ライガの生の声に胸がきゅんと弾んだ。


「だって……」

勝手に身体が動いたんだから理由なんかない。だからそれ以上言葉を繋ぐことは出来なくて。

けれど、ライガは「ん」と優しく頷いて、

「これ、お釣り」

と、携帯電話を持つ右手はそのままに、ズボンのポケットに突っ込んだ左手を抜き出して、軽く握った拳を私に向かって差し出した。



その中の物を受け取り、

「別に良かったのに」

手の平にのった10円玉四枚を眺めながら言った。



「こんなの――

口実に決まってんじゃん」