pianissimo.

そのままベッドの上で、うとうとしてしまって。



どれぐらいそうしていたのか……。部屋の隅っこに放ってあったカバンから、携帯電話のバイブ音が聞こえた。それは静けさの中やけに響き、ハッと目を覚まして反射的に飛び起きた。


慌ててカバンから取り出し画面を見れば、『着信中』の文字。発信者は『オレ』。


恐る恐る通話ボタンを押して電話に出た。


「もしもし」

『今、居る?』

「家にってこと? 居るよ」

『俺、目の前にいるんだけど』

「え?」



弾き飛ばされたように部屋を飛び出し、一目散に階段を駆け下りて外へ出た。家の門のすぐ向こう側にライガが本当に居た。


未だ携帯電話を手にしたままだ。それほどの短時間で私はここまで来たのか、と。そんなことをふと思ったら無性に笑えた。