pianissimo.

振り返ると、ライガはまだ困ったような苦笑を浮かべていて。けれど私が「うん、そうする」と返せば、それは緩んで自然な笑顔に変わった。



ドリンク代! と急に思い起こして500円玉を財布から出し、テーブルの上に置いた。

ライガに「いいよ」って言われたけど、そのまま逃げるように店を後にした。





猛ダッシュで自転車を漕いだ。帰宅するなり自分の部屋に直行、制服のままベッドの上にドサッと仰向けにダイブする。



「勉強なんか……」


独り言を呟いて、意味もなく天井をじぃっと眺めた。



姫花ちゃん、きっと怒っているだろうなぁ……。